Instagram発信より先にやること
- 8 時間前
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こんにちは、ドルフィンワークスの西田です。
4月より私から見た「自営業のリアル」として、週一でお届けすることにしました。
経営相談支援の現場や、私自身の25年の事業経験から見えてきたことを綴っていきます。
経営者の皆さんがどうピンチを乗り越えているか、チャンスを生かしているか、そして、私がどうサポートしているか。
舞台裏をちょこっと覗くような感覚でお読みいただけたら嬉しいです。
さて、第1回は「Instagram発信より先にやること」という話です。
「SNS発信だけで1万個売れた!」
「インスタライブで完売しました!」
「フォロワーが1週間で1000人増えました!」
同業者のそんな声を聞いて、
「えっ、じゃ、うちの店はなぜ?...」と不安になったこと、ありませんか?
私は現在年間300件ほどの経営相談を受けているのですが、最初の相談はSNS関連がダントツ多いです。
もはやSNSなくしてはビジネスが成り立たない風潮。
成功組の話もよく耳にする。
うちも頑張らなきゃ...と比べてみたくなる気持ちはわかります。
ただ、私に言わせれば前提条件が違う。
「成功している(ように見えている)お店」と、うちのお店とでは、そもそも何が違うのか。
資金力、商品の単価、スタッフの数、発信に使える時間。
表には出てこないけれど、投資できるものの量が、まったく違う場合がほとんどです。
同じ手法を使っても、同じ結果にならないのは、相談者のやり方が悪いのではなく、前提条件がそもそも違うからです。
表面だけ見て、手法だけ真似する。
それが、努力が空回りする一番の原因です。
「毎日投稿しないと出遅れる」という焦り
サロンや飲食店オーナーなど、現場に立つ自営業者がPRに割ける時間は、せいぜい1時間取れるか取れないか。
その中で、写真を撮って、加工して、動画にして、投稿して、コメントに返信して……
そもそもスタートが無理ゲーなのです。
限られた時間をどこに使うか。順番が、自営業者には特に大事です。
最近では、フランチャイズや協会系のサロンが、本部からテンプレートを支給されて、同じ形式のリールと投稿を広告で回すというやり方も増えています。
私自身、1日に10件近く同じ系列の広告を見かけて、「これは興味があっても、さすがに引くんじゃなかろうか。」と顧客目線で思いました。
見た目はとても良い出来なのですが、どれも金太郎飴な印象。私が対象ではないだけかもしれませんが「この店に行ってみたい」という動機づけにはなからなった。
当事者の事業さんにちょっと聞いてみたい気もします。
一方で、投稿の頻度はゆるくても、お客様が途切れないサロンも実際あります。
「時間」を発信より、お客様のフォローや口コミに使っている。
インスタはアプリの設定で使用時間に制限までかけている。
それでも、お客様はちゃんと来ている。
SNSに使う時間の量と売上は必ずしも比例しないということです。
SNSとHPは役割が違う
「SNSはやるべきですか?HPも持っていたほうがいいですか?両方運営するのは大変です。」
というご質問もよくいただきます。
そもそもSNSとは、ソーシャルネットワークサービス。
知ってもらう、親しみを持ってもらう、ファンとつながる場所です。フォロワー数よりも、どんな人とつながっているかが大事です。
HPは、会社の総合案内です。
はじめて知った人が「信頼できるか」を確認しに来る場所。営業時間、サービス内容、実績、想い。判断材料がそろっているかどうか大事です。
それぞれに役割があるのですが、二つを混同して、インスタに総合案内の役割を求めたり、HPをSNSのように更新しようとすると、どちらも中途半端になります。
AIが営業してくれる時代
最近、相談者さんからこんな話も聞きました。
「飛び込みのお客さんに、どこでうちのお店を知りましたか? と尋ねたところ”AIにおすすめの整骨院を聞いたらこちらを紹介されたので”
とのことで、びっくりしました。時代ですね。」とおっしゃっていました。
Google検索の画面に表示される「AI概要」というものです。
ユーザーが質問すると、AIが答えの形で情報をまとめて表示する。
そこに紹介されたという話でした。
AIに拾われても問い合わせにつながらないケースも
一方で、こんなケースもあります。
AI概要におすすめのお店として紹介されている。でも問い合わせが来ない。
AIが連れてきたお客様は、次にHPを見に来ます。
そこで「よくわからない」「信頼できるか判断できない」と感じたら、そのまま離れてしまう。せっかくAIが営業してくれても、HPが受け皿になっていなければ意味がありません。
Googleはウェブサイトを評価するとき、経験・専門性・権威性・信頼性の4つの観点で見ています(E・E・A・Tと呼ばれます)。要するに「ちゃんとした人が、ちゃんとした内容を書いているか」という話です。
アクセスはあるのに問い合わせにつながらない、という場合はここを疑ってみてください。
成功事例に踊らされないために
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉、聞いたことありませんか?江戸時代の大名・松浦静山の言葉です。
他所がうまくいっているのは運やタイミングもある。
要は、たまたまうまく行ったという話にすぎないということ。
しかし、自社の集客がうまくいかないのには、必ず理由がある。
だから、成功事例より、自分のお客様を正直に見ることの方が大事なのです。
自分のお客様がどこにいて、どういう流れで知って、どう判断して、問い合わせや来店に至るか。
私が個別相談でまず行うのは、この流れを一緒に図に描くことです。
思い込んでいた流れと、実際のお客様の動きが全然違う、ということがよく起きます。
このズレに気づくだけで、次なにをやるべきかが見えてきます。
なにより現状把握が大事
事業を見直すとき「自分はこう思う」は、大体外れていることが多いです。
それは、あまりに専門家になりすぎ、お客様目線が見えづらくなっているからです。
一度、直近のお客様を3人思い出してみてください。
どこで知って、何を見て、何が決め手で来店したのか。
ここが言葉にできるだけで、やるべきことが明確になります。
一人でやるのは難しいな、と思ったら、お声かけくださいね。


