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【自営業のリアル】50代以降の起業が「失敗できない」理由

  • 1 日前
  • 読了時間: 6分

こんにちは、ドルフィンワークスの西田です。


ここ数年、「長年培ってきたキャリアを活かしたい」「退職金を元手に、趣味を通じてお客様と豊かな時間を過ごしたい」という動機で起業を考える方が増えています。


シニアご夫婦がカフェを開業する番組が人気を集めるのも、そうした時代の気分を映しているのでしょう。


公的機関でも、シニア起業を後押しする支援は確実に増えました。でも、現場にいる立場から、少し書いておきたいことがあります。


50代のカフェ開業


50代以降の起業が「失敗できない」理由。


若い頃の起業と、50代の起業は何が違うか。


一言で言えば、「リカバリ力」です。


若い頃は、多少の失敗があっても、気力・体力・時間が残っている。引き返すことも、やり直すことも、まだ間に合う。50代以降は、そのいずれも限られています。


私は今年58になりますが、33歳で創業した頃と比べれば、記憶力や判断の速さが落ちていることを自覚しています。加えて、この年代になると、仕事以外の重さも増してくる。


親の介護や相続、自分自身の健康。ストレス...これらが重なったとき、一人で現場を回している自営業者には、代わりに立てる人がいません。


「退職金や蓄えがあるから大丈夫」という声もよく聞きます。


でも、お金はいくら用意しても、使い始めると思ったより早くなくなります。逆に、まだ余裕があるという油断が、判断を甘くすることの方が多い。


うまくいかないときは、悪いことが重なって来ます。退職金と老後の資金は、最後の砦として死守してください。


医療費もばかりならない

現場で見てきた、よくある落とし穴。


市場を見ていない


夢は原動力になります。ただ、お客様はあなたの夢を叶えるために存在しているわけではない。同じジャンルで、すでに何人が地域にいるか。「選ばれる理由」が言える状態か。


「作ったけど売れない」にならないよう、ここを確かめてください。


資格一本足打法になっている


「やっと資格が取れました。起業してみたけど集客の仕方がわからない」

という相談は後を絶ちません。


資格取得は、ビジネスの入場券です。

「ようやくスタートラインに立ちました」という状態に過ぎない。


同じスクールで同じ資格を取った人が、同じ地域に何人もいる。選ばれる理由が資格以外にない状態で、集客をどうするか、という問いに答えるのは正直難しいです。


運転資金と補助金を誤解している


「0円でも起業できると聞いて」という方がいます。

個人事業主として届け出を出すだけなら、確かにそうです。

でも翌月から売上がなくても、経費はかかります。


家賃、通信費、材料費、交通費、従業員を雇うなら人件費...。

売上が安定するまでの数ヶ月は貯金を食い潰すしかありません。その原資がなければ早々にゲームオーバーです。


融資についても現実をお伝えします。

金融機関は自己資金ゼロでは基本的に貸しません。必要資金の3割程度の自己資金があることが前提と言われています。


本当に資金が苦しくなった時には、すでに借りられない状態になっている。融資は余裕のあるうちに動くものです。


補助金も同じです。

活用できるものを活用する姿勢は否定しません。ただ条件に合うものは少なく、たとえば持続化補助金は創業後でないと申請できません。採択まで数ヶ月、入金はさらにその後。その間、立て替えは全額自己負担になります。


融資も補助金も、自己資金があって初めて機能するものです。


投機と起業を混同している


自分が何かを提供して対価をもらうのが起業です。

お金や仕組みを動かして利益を得ようとするのが投機です。


「自分は現場に出ない、誰かに任せる」という前提で始める場合、それを成り立たせるには原資と経営経験が先に必要です。順番が逆になっている方が、思いのほか多いです。


「起業の後押し」を謳うセミナーや業者への注意

不安を抱えたシニア層を対象に、高額のコンサル契約や教材を売りつけるビジネスが存在します。


「今すぐ起業すべき」「あなたの経験が武器になる」という言葉は、ある意味では本当かもしれませんが、まず、その記事や動画の出所を確認してください。


起業支援を謳いながら、自分たちのサービスを売ることが目的になっているケースは少なくありません。


現在では公的な支援窓口(よろず支援拠点、商工会議所など)の支援が充実しており、かつ、無料で利用できます。まずはそちらを先にご利用になることをお勧めします。



それでも、50代には本物の武器があります。


それは、幅広い人脈、人生経験と実践経験、それと…面の皮です(笑)。


若い世代にはない積み上げがある。

家族、友人、ママ友、元職場の先輩・後輩・上司、仕事仲間、趣味仲間、地域の知り合い。


「困ったときに話を聞いてくれる人」「厳しいことを言ってくれる人」がどれだけいるか。

名刺の数は当てになりません。

あなたを大切に思ってくれる人がどれだけいるか、が重要です。


「コーラスサークルの仲間たちがサロンを利用してくれています」

「主人が職場の人に紹介するからパンフレットをちょうだいと言ってくれます」

「パート先のバイト生から依頼が来て、知り合いに紹介するねと言ってもらいました」

「前の会社の同僚がよくうちの店に食べにきてくれます」


こういう声は、相談現場でよく聞きます。


起業前に「協力してくれそうな人リスト」を作ってみてください。

そのリストが薄いなら、まず協力者層を厚くするところから始める。それも立派な起業準備です。


話を聞いてくれる仲間の存在を確認


最後に、戦略の話を一つ。


50代の起業で私が一番大事だと考えているのは、「絞ること」です。

体力も資金も時間も限られている。


大企業が入ってこない隙間で、息長く生き残り続けるには、その地域の、その分野の何かで一番になる。ランチェスター戦略という考え方にも通じます。


「地域で一番居心地が良いと評判」「ここにしかない商品を扱っている」「名物キャラとして有名」


自分のこれまでのキャリア・人生経験の延長線に、起業のタネを探してください。

まったく異分野への挑戦はリスクが上がります。「好きなことを仕事にする」は、楽ではありません。


そして、撤退ラインを最初に決めておくこと。


「老後の資金には手をつけない」「売上ゼロが半年続いたら見直す」「体調を崩したら休む」。など。


一人でやっていると、「まだいける」「もう少しだけ」という判断を自分でし続けることになります。だからこそ、誰かに定期的に見てもらう機会を、最初から持っておく。それが、人生を詰まない設計につながります。


以前書いた『好きをビジネスに』の前に確認してほしいことと合わせて読んでいただけると、より立体的に伝わると思います。


あなたのビジネスが10年先も健やかに成長しますように。


西田でした。


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