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「好きをビジネスに」の前に確認してほしいこと

4月22日
読了時間: 7分

更新日:9月3日

こんにちは、ドルフィンワークスの西田です。


最近、雑誌やセミナーで「好きを仕事に」「プチ起業」「副業起業」というフレーズをよく耳にしますね。私がフリーランスとして駆け出した頃、20年以上前のことです。当時、ライターとして活躍していた先輩起業家が「好きを飯にする=スキメシ」という言葉で様々な活動をしていました。その時、私もスキメシの仲間入りを果たしたいと心が躍ったものです。


あれから四半世紀が過ぎ、現在はSNSやホームページ、動画プラットフォームを通じて、誰もがコストをかけずに発信できる時代になりました。多種多様な趣味や特技、独自のセンスを活かして起業する方が増え、時代の変化を感じています。


動画ライブ販売をする女性

自分のスキルを活かす女性起業家たち


日々の相談業務では、習字やハンドメイド、伝統工芸、エステ系サロンなど、自分のスキルを活かして活躍の幅を広げたいと考える女性起業家の方々が多く訪れます。


ある日、こんな方が相談に来られました。手提げ袋から取り出したのは、手作りのアクセサリー。資格を活かして作った、可愛らしい丁寧な手仕事の品でした。


「先生、見てください。やっと販売できるレベルになりました!オンラインでも売りたいので相談に来ました。」


素材へのこだわり、習得までの道のり、作ることの喜び、プレゼントした方からの感動の声まで、目を輝かせながら話してくださいました。


小物作家の心境
※写真はイメージです

「ミンネやInstagramなど、同じジャンルの商品リサーチはされましたか?」


とお尋ねすると、


「いえ、資格取得するのに精一杯で…」


とのご返事でした。小物作家のプラットフォーム、マルシェ、メルカリ、100円ショップに至るまで、商品があふれている世の中です。感動ストーリーを持った商品は多く、しかも感情に訴える商品やサービスは流行り廃りが早いのです。


世界に一つだけの……が溢れる市場で、どうやって手を伸ばしてもらえるのか。作り手の物語やパッションだけでは、買い手の動機にはなりにくいのが現実です。応援したい気持ちと、この先に待ち受ける壁を知っているコンサルとしての気持ちが、同時に胸をよぎりました。


消費者としての視点、つまり「買う側の気持ち」がとても重要になりますが、作り手はサービスを溺愛するがゆえに、費やした時間や費用がよぎるがゆえに、買い手の気持ちが見えなくなりがちです。


マルシェでの現実


マルシェに出店したものの...

「SNSで売れるようになりたい」というご相談は本当に多いです。試しにInstagramやGoogleで検索してみてください。日本中・世界中に素敵な小物が溢れています。その中で選んでもらえるかどうかが課題です。


「対面販売だから大丈夫。」


という意見もありますが、採算が合うかどうかはまた別の話です。「マルシェに出れば売れる」はあるかもしれませんが、それでは旅芸人のようなもの。売れ行きの計画が立てにくいのはできるだけ回避したいものです。


ちなみに、マルシェ出店についてですが、商品が売れないと「自分を否定された」と感じてしまう方が実際にいらっしゃいます。商品はあくまで商品であって作者自身ではないのですが、「あちらのお店は行列ができているのにうちは閑古鳥...なぜ?」といった具合に、気持ちが入り込みすぎて、ぽきっと心折れてしまうことがあるのです。


マルシェはテストマーケティング(市場調査)の場でもありますが、「好きを仕事に」の夢が打ち砕かれやすい場でもあります。


見落としがちな「人件費」


スキメシタイプの方がやってしまいがちな失敗はお金の計算です。特に、自分がどれだけその商品・サービス提供に至るまで時間コストをかけていたか、という点です。


「改めて計算してみたら、材料費でトントンだった。」

「物価が上がって利益圧迫。けどお客様に値上げを言いづらい。」

「私の時給100円?いや、交通費と仕込み時間を考えたら超赤字だった。」


なんてことはざらに聞く話です。好きだから続けられる気持ちは大切にしたいですが、ビジネスとして続けるには、数字が見合わないとやっていけません。


相談者に確認する3つのこと


だから私は創業相談の最初に、必ず三つのことを確認するようにしています。


1:趣味としてやりたいのか、ビジネスとして売上を立てたいのか


どちらが正しいということはありません。ただ、どちらを選んでいるかによって、一緒に考える内容がまったく変わります。いくら売上げたいか、生活の足しになればOKなのか、経済的に独立したいのか、ここから想像してみてもらっています。


2:お金を払ってでも「欲しい」と言ってくれる人がいるか


これが価値交換の出発点です。まずは、ちゃんとお金を受け取る練習から始めてもらっています。「まだ駆け出しだし、自信がないからそれは難しい」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、それでは「ずっと趣味・ボランティアでいい」と言っているようなものです。そうなると経営相談窓口として立っている私の役割はここまでですね、ということになります。


余談ですが、最初から「お友達割引してね」と言ってくる人・足元を見てくる人・交換条件を提示してくる人は、あなたの本当のお客様でも応援者でもありません。ただ便利に使おうと思って言ってくる人です。厳しく聞こえますか?いえ。これは自分と事業を守る意味でも重要なことなんです。人が良過ぎて疲弊している人、本当に多いんです。


3:撤退ラインをどこに置くか


「手持ち資金が尽きたら」「売上ゼロが数ヶ月続いたら」「体調を崩したら」「60歳になったら」など、始める前に撤退ラインを決めておくことをお勧めしています。決めていないと、消耗しながらずるずると続けてしまいがちです。


ビジネス以前に、人生を詰まない設計をすることが大前提です。ここは声を大にして言いたいです。どう設定すればいいかわからない方には、逆説的ですが「絶対に失いたくないものは何ですか?」という質問をしています。すると、「お金」「健康」「家族との時間」「自分時間」「心のゆとり」など、色々出てくると思います。


趣味がビジネスになった途端モヤったという声も


興味深い話を聞いたのでここで共有します。趣味でお花を習っていた方が、とあるご縁で先生を任されたそうです。しかし、「純粋に、楽しいから学び続けたい・極めたいというモチベーションだったのだけど。お金にはなるけどちょっとモヤっとしています。」と心境の変化があったと聞きました。


好きだったものが義務になる感覚といったらいいのでしょうか。あれ?私の楽しんでいたことは対価にするとこういうことなんだ...という感覚なのかな。なるほどなと思いました。


スキメシが続く条件


さて、今でこそ皆さんの相談役として席を置かせていただいていますが、当然のことながら、25年前は新人起業家でした。みなさんと同じく情熱をたぎらせ、ギラギラしていました(笑)


最初、24時間寝る間を惜しんで取り組めたのがWEBデザインでした。努力がお金になることが、純粋に楽しかったのです。それから時代や環境、自分自身の成長とともに仕事のスタイルをピボットし、キャリアコンサルタント、女性起業家コミュニティ代表、レンタルスペース・コワーキングオーナー、そして起業支援のお仕事をさせてもらっています。


今も大変なことだらけですが、楽し苦しみながら続いているのは、好きなことに絞り飯を食わせてもらっているからだと思います。好きの種類が違うのです。


やっていて苦にならない好きと、お客さんに喜んでもらえる好きと、お金になる好き。この三つが重なったとき、はじめてビジネスとして続いていくのかもしれませんね。ここは、長年ビジネスを継続されている方にぜひご意見を聞いてみたいところです。


色々書きましたが、一人で悩むより誰かに話したほうが早いです。「起業したいけど...」と迷っている方は、よろず相談、もしくはドルフィンワークスの無料相談枠をご利用くださいね。壁打ち、整理、ブランディング、とことんお付き合いします。


⚠️実際の相談事例をもとにリライトしています。

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